会社が倒産して自己破産したら自宅は残せるのか?
倒産と自己破産の違い、そして自宅の運命について
本記事は才藤が執筆しております。
はじめに
会社が倒産し、経営者自身も破産を申請する状況は、金融機関の借入に対して連帯保証人になっていることがほとんどですので決して珍しいことではありません。そうなると小規模零細企業の経営者にとって、倒産や破産は大きなリスクです。このような場合、自宅がどうなるのか心配になるのは当然です。今回は、会社の倒産と破産のプロセスを詳しく説明し、自宅がどうなるのかについて解説します。
倒産と破産の違い
まず、倒産と破産の違いを理解することが重要です。今回は端的に説明しますので詳細についてこちらを参照してください。
倒産の定義 倒産とはどういうことか 【改定】 – 倒産と闘う 経営危機コンサルタント 内藤明亜オフィシャルサイト
倒産は、会社が経済的に破綻し、債務を返済できなくなることを指します。一方、破産は裁判所を通じて債務を免除する手続きです。
会社の倒産手続き
会社が倒産した場合、以下の二つの手続きが一般的です:
・民事再生手続き:会社の再建を目指し、債務の一部を返済することで経営を続ける手続き。
・破産手続き:会社の財産が整理され、債務者に分配される手続き。
個人の自己破産手続き
裁判所に対して債務の免責を求めます。
免責が認められると、債務者は多くの債務から解放されますが、財産の大部分が債権者に分配されます。
個人の自己破産の目的は主にこの免責を勝ち取ることです。
自宅の運命はどうなるのか?
何もしないまま倒産をむかえ、そして破産手続きと進むと、一般的には自宅は管財人によって任意売却か競売で売却されてしまいます。
では、どうすれば良いのか?
本人の意向とその置かれている状況によって解釈や方法が変わります。
つまり、自宅にそのまま住み続けたいのか、自宅にこだわりがないので住み替えでもいいが持ち家にこだわる、賃貸でも構わないのかどうかで対処方法が変わることがある。
経営危機にある環境では、自宅を早めに売却する方法を選択するケースが多いです。
次に協力者が必要だが自宅の名義変更をその協力者にしておき賃貸で住み続け、再起して買い戻す方法が選択肢としてあります。
決断と行動が遅れて競売、自宅を追われるという事態は何としても回避するべきです。
実例の紹介
Xデーまで4,5ヶ月位あるかないかの切迫倒産(切迫度は中くらい)のケース。
業種は建設業で資金繰りは自転車操業状態だが、大きめの案件があり売掛の大きめの入金額が数千万円を見込めていた。Xデーまでの資金計画を立てながら早期に代表者貸付の返済し資金を一定額まで準備金を用意することが出来ました。ここからは少々込み入った話になっていきます。依頼人は離婚問題を抱えていてました。打合せが4-5回目という段階で、突然言いずらそうに、”離婚したら自宅はどうなるんですか?”という質問をされてきました。夫婦関係の問題については残念ながらわたしたちは立ち入ることは出来ませんが、少なくともお話を聞くことは出来ます。本当に関係の修復が無理なら離婚は止められないし、仮に財産分与の一部として自宅を奥さん名義にすることは可能であることをいくつかの事例を紹介し説明をしたところ、依頼人はその場で実行することを決断しました。
実際どうなっのか?
結局、破産申し立て直前の離婚手続になってしまったので管財人から数百万の支払いを求められ、その資金は身内から用意して納めることができたので奥さん名義として家を守ることが出来た。予想した額よりは少なく済んだので依頼人は大変喜ばれた様子でした。裁判所は以前であれば財産隠し(詐害行為)という見方をする傾向が強かったが、近年の実際の裁判所の運用状況をみると直前の離婚手続きでも全てではないが自宅を妻の名義を認められるケースが多くなってきた。決して離婚を勧めるということはしないが、もしも仮に、本当に夫婦仲が悪くどうしても離婚の選択をされるのであれば、後回しにする問題ではありません。
一歩間違うと詐害行為と見られるリスクがあります。
よって、慎重かつ迅速に進める必要があることはご理解いただきたいと思います。
詳しくは是非、わたしたちにご相談下さい。
まとめ
会社が倒産し、自己破産を申請する状況は非常に厳しいものですが、自宅を守る方法が全くないわけではありません。
自己破産の手続きを正しく理解し、最適な選択をすることで、自宅を守る可能性を高めることができます。
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経営者は常に孤独です。
また破産を経験した人間は多くはなく、良い相談相手を早く見つけることが難しいものです。
一人で悩まずわたしたちにご相談下さい。
執筆: 才藤
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