NYC Jazz紀行 ③ 12/28/2013 Mike DiRubbo Quintet at Smalls
David Schnitter Quartetが終わって客席の入れ替え。
ようやく座れるが、満席。
わたしは前から二番目の下手がわに移動(寄席に行ってもこの位置が落ち着く)。
ミッチがやってきたので20ドルを渡すと、よろこんで「じっくり楽しみなよ」と声をかけてくれた。
コーヒーを注文する。昨日と同じお姉さんが「また来たのね、席もいっしょなの?すぐにフレッシュなのを淹れてあげるから、ちょっと待っててね」と覚えてくれていた。笑顔の素敵なお姉さんだ。3ドル。
目の前でミュ-ジシャンが楽器のセッティングやチューニングをしている。
リーダーのマイク・ディルーボ(Mike DiRubbo)がアルトサックスをケースから出し、マウスピースにリードを着けている。後で調べたらかれのアルトはRSバークレイ(RS Berkeley)のカスタムだ。黒いような青いような深くダークな色できれいに磨き上げられている。ブラック・ニッケル・モデルだろう。
わたしは数年前からこのマイクに惹かれてCDを見つけては手に入れて聴いていた。
1970年生まれだから43歳。
最初は、スティーブ・デイビス(Steve Davis)というトロンボニストのリーダーアルバムだった。トロンボーンとアルトサックスのフロントラインが珍しく感じられて少し集めていると、ジム・ロトンディ(Jim Rotondi)というトランぺッターとも組んでいたり、SMOKEに集うワン・フォー・オール(One for All)というユニットの近くにいるのだとわかる。
ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean:as)に師事したらしい。
明るく艶やかなキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の対極のような、ややアブストラクトでエモーショナルな音色はわたしの好みだ。
トランぺッターはジョッシュ・エバンス(Josh Evans)。1972年生まれ。力強いプレイスタイルで、汗が飛び散るようなトランぺッターには久しぶりにお目にかかったが、いかんせん音が美しくない。
ピアニストはブライアン・シャレット(Brian Charette)。1960年生まれのこのピアニストは、このところマイクとのコラボレーションが続いているがその多くはB3というハモンドオルガンだ。わたしの持っているCDはオルガンばかりなので、今回のピアノは新鮮な感じだった。オルガンもやるピアニストはマイク・ルドン(Mike LeDonne)もそうだがオルガンがソウルフルな反面、ピアノはリリカルのなる傾向があるが、このブライアンもそうだった。実にコロコロと美しい旋律を奏でてくれてゴキゲンだった。
ベーシストは前のデビッドから引き続きウゴンナ・オケグオ(Ugonna Okegwo)。1962年生まれ。趣味のよいバッキングとソロを聴かせていた。
ドラマーはルディ・ロイストン(Rudy Royston)。歳は30歳代前半ではないだろうか。このドラマーはとっても良かった。ちょっとはにかみ屋で控えめなのだが、ソロを取らせると実にメロディアスなソロを聴かせてくれる。フォーバースでもマイクやジョッシュのソロをそっくりドラムに置き換えて返したりするセンスにはうならされた。
曲は、チャーリー・パーカーのコンファメーションやマイクのオリジナルなど、幅広く披露してくれた。
ユニットとしては、トランぺッターにもう少しデリカシーのあるのを持ってきたら完成度は高まると思った。
演奏が終わって帰り際、マイクと目が合ったとき「Thank You !」と声をかけられた。ミュージシャンからサンキューなんていわれたことはなかったので、わたしもうれしくなって、思わず「Fantastic!Very Beautiful!」と返したら嬉しそうな顔をしていたので、「日本からあなたを聴きに来たんだ。わたしはあなたのアルバムは10枚ほど持っているよ。大好きなんだ」と言ったら、「どうもありがとう。また会いたいね」、「今度は日本で会いたいです。ぜひ来てください」、「ボクもぜひ日本にはいきたいんだけど、なかなか呼んでくれないんだ」と会話が弾んでとても素敵な心もちでホテルに帰りつくことができた。
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