TIME誌(1999年2月15日号)に、内藤明亜の取材記事が掲載されました。

<タイトル>
This Business Guru’s Key Credential:He Went Belly Up

このビジネス指導者が信任される理由:彼はへこたれなかった。

<本文>
井出歓之助(注:内藤明亜の本名です)は、自身の破産がビジネス機会をもたらすとは、まったく予想していなかった。
しかし、債権者からの法的保護を経験したこの四年間に、彼は日本の中小企業事業主のあいだで「倒産コンサルタント」の第一人者になった。

三年前、自身の倒産経験に基づいた著書を出版したところ、多くの絶望し困惑している企業家から電話で相談されるようになった。
その数は四千件にものぼったのである。
その後さらに二冊の本を出版し、現在では倒産や破産に直面した人々にアドバイスをすることで、そこそこの暮らしができるようになった。

破産者からは、彼のペンネームである「内藤明亜」(nightmare-悪夢)を”倒産コンサルタント業”のフランチャイズとして使わせて欲しい、というリクエストまであったという。
一度失敗した男にとっては悪くない状況だ。
「私は(自分の倒産を)利用して稼ごうとは考えてもいなかった。しかし世間には助言を求める人たちがいかに多いかということだ」

五十二歳。ずんぐりした体格に、灰色がかった口髭をはやした氏はにっこり笑って語る。

井出は倒産ビジネスを苦労して学んだのだ。
1990年代初頭に自身が経営するマーケティング会社が多くの借金を抱えだしたとき、井出はやくざ絡みの街金に頼らざるを得なかった。
しかし法外な利子を返せなくなると、街金が彼にまとわりつくようになった。

ある朝、駐車場を自分の車に向かって歩いていると、頬に傷のあるチンピラ風の若者が近寄ってきた。
「おはよう、社長さんよ」
井出はいきなり強引に車の中に押し込まれ、強制的にハンドルを握らされ、借金を肩代わりしてくれる知人を探しに街じゅうを回らされたこともあった(この時の借金は総額$174,000=約二千万円にも上っていた)。

また、街金業者に従業員のひとりが誘拐され、その従業員が命からがら携帯電話に連絡してきたときのショックは大きかった。

井出は1994年12月に法的保護を(裁判所に)求め、その翌月には自己破産の宣言を受けた。
現在、東京のささやかな事務所を拠点に、自分が体験した倒産の悪夢から人々を救うべく働いている。

彼はこう語る。
多くの会社経営者は破産法や、倒産に行き着く前に合法的にそこから切り抜ける方法についてあまりにも無知だ。
高い料金、しかも前払いを要求する弁護士の助けなど大きな力になりはしない。
会社のオーナーが裁判所に助けを求めるほど絶望的なときはもう、弁護士に払う費用さえないほど切羽つまっているものだから。

井出が最初に依頼した弁護士は、書類作成費用で$74,000=約九百万円を請求してきた。
「そのうえ、とても横柄な奴だったよ」と、井出は言う。

井出は現在、倒産の危機にある人々にアドバイスを与え、さらに依頼人たちにより安く役に立つ良心的な弁護士を紹介している。
「しかし、もっとも大事なのは」、井出は言う。
「イメージをあらためることだ。日本特有の倒産に対する屈辱的なイメージを払拭することだ。絶望的になった経営者たちが街金に走ったり、そして最悪の場合自殺に走る可能性が減るのだから」

井出が言うように、「倒産は犯罪ではない」のだから。

[TIME]FEBRUARY 15,1999

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