倒産の定義 倒産とはどういうことか 【改定】

【倒産】という言葉は、できれば近づきたくない、禍々しい響きを持っている。
しかし、実態としての倒産とは、会社など(個人事業も含む)の組織の、経済的な破綻にすぎない。

事実上の倒産〝といい、〝倒産状態〝といい、倒産の定義は確定していないように思える。
わたしは、以下を「倒産の定義」としたい。

① 会社の財務状態が[債務超過]
会社の負債が財産より大きい。破綻すると債務者(被害者)が出る状態。

② 会社の資金繰状態が[資金不足]
支払資金、返済資金が不足状態。破綻すると未収者(被害者)が発生する状態。

③ 事業が利益を生まない
当該事業をやればやるほど欠損が出る状態。

④ 将来的にも回復不能
今の欠損状態が将来も続く。リカバリーができないと判断される状態。

⑤ 事業継続を断念
資金調達や支払条件の変更などの手は打たず(手が打てず)、断念すること。

判りやすく言えば、支払いや返済ができなくなって、事業が続けられなくなった状態、だ。

これは法的処理にしても私的処理にしても、事業を継続する場合は[倒産と呼ばない]とするものである。

すなわち、

① 法的処理による[会社更生法]、[民事再生法]の適用
事業体がそのまま継続できるような処理。

② 私的処理による債権者との話し合いによる[事業継続]
同様に債権者の同意による事業継続処理。

これらは、〝事実上の倒産〝と呼称されるが、結果として同じ事業体が同じ経営者によって継続されるのであれば、それは[倒産]とは呼べない、といわざるをえないのである。
その理由はたった一つ。
これらを事実上の[倒産]と呼称されると、それらの会社の事業継続の障害になるからである。これは法的処理にしても私的処理にしてどうしてもネガティブに呼びたいのであれば、せめて〝経営危機の救済〝とか〝経営危機からの脱却〝などと呼称していただきたい。
これは、誰に対して申し上げているかというと、報道機関調査機関である。
〝事実上の倒産〝と、〝経営危機の救済〝あるいは〝経営危機からの脱却〝とでは、破綻状態にある事業体を運営する者にとっては、天と地ほどの違いがあるからである。

しかし、倒産するということは、会社(個人事業も含む)が事業をしなくなっただけでは済まないのだ。
すなわち、会社(個人事業も含む)がなした“契約(約束ごと)”をすべて解除しなければならないからだ。
それをしないと、会社(個人事業も含む)はなくなってしまったが、契約(約束ごと)が残っているという状態になってしまう問い不都合が起こる。

それが[倒産処理]。その方法には、以下がある。
[法的処理](小規模零細企業には地方裁判所による[法人の破産])、これをすれば債務は一切なくなって再起しやすくなる
[私的処理](裁判所を通さない[任意整理])、これは、債権者との話し合い次第になる。

そうした処理をしないと、[時効]までは債権者に追われ、財産を持てば差押えの恐怖のもとに生きていかなければならなくなる。
時効までは[五年]、最長で[十年]。これは長い。

わたしは(当事務所は)、小規模零細企業が倒産に直面したら、
・計画倒産と言われないように最大限の配慮を払い、最大限の財産を確保したうえで、
・[法的処理]で費用負担の少ない[少額管財]を実現し、
再起できるようにすべきだと考え、そのように助言している。

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