コンサルタントの倒産にご注意

経営アドバイスのプロが倒産という厳しい現実について

本記事は才藤が執筆しております。

はじめに

経営について助言・指導するプロという立場である経営コンサルタントの倒産は滅多にないことだと思っていましたが、現状は少なるどころか増加の一途をたどっています。現実は極めて厳しい経営環境にある業界とも言えます。今回は、経営コンサルタント倒産から見える業界について解説していきます。

コンサル業界の現状と課題

経営コンサルタントの倒産について考えると、様々な要因が複雑に絡み合っていることが見えてきます。

2024年の倒産の内訳を見ても、「破産」が圧倒的多数を占めており、再建の難しさが浮き彫りになっています。

これは、経営コンサルタント業界が属人的な性質を持ち、コンサルタントの経験や人柄、人脈が業績に大きく影響するためです。

特に資本金1億円未満の中小企業や従業員数5名以下の小規模事業者が多数倒産している現状から、参入の容易さゆえに新規参入が相次ぎ、資産背景に乏しい企業が売上不振に喘いでいることが分かります。

しかし、これは同時に業界の淘汰が進み、より優れたサービスを提供できる企業が生き残るための自然な流れとも言えるでしょう。適切な戦略と革新を続ける企業には、デジタル技術の活用や新たなビジネスモデルの導入、グローバルな視点での市場拡大など、大きな成長の機会が広がっています。

総じて、経営コンサルタントの倒産は厳しい現実を示していますが、それを乗り越えるための工夫と努力が求められる時代に突入していると言えます。

「経営のプロ」コンサルの倒産が過去最多 顧客ニーズの高度化と求められる専門性、淘汰が加速
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200836_1527.html

経営コンサルタントの倒産事例

事例: 北浜グローバル経営(株)(大阪市北区)の倒産

負債総額は約20億5300万円(2023年3月期決算時点)

中小企業向け経営コンサルティング、人材育成、各種補助金獲得支援等の経営支援を展開していた。

補助金申請

社会情勢の変化に沿った経営支援に対応し、業歴相応の営業基盤を構築していた。
 「新型コロナウイルス」感染拡大以降は、ものづくり補助金やIT補助金等の申請支援の依頼が増加傾向にあり、2023年3月期は売上高35億8583万円を計上した。しかし、業容拡大に伴い人員を増加したことで経費負担が過大となり、資金不足に陥った。その後も、資金繰りは好転せず、事業継続が困難なことから今回の措置となった。

東京商工リサーチによると上記のように紹介されています。
2024年にあった経営コンサル企業の倒産で負債総額が最も多かったケースです。

事業の実態は簡単に言うと中小企業に対する”事業再構築補助金”のサポートだったので、経営コンサルタントというよりは補助金申請代行業者と言えます。コロナが終息してからは国の方針が変わり補助金があてにならなくなったという背景も影響したこともあるでしょう。

この倒産の主な原因は:

  • 資金不足
  • 固定費の負担増
  • 急激な事業拡大と過大投資
  • 経営方針や戦略の誤り
  • 主要な売上げが他力頼み(補助金申請=公金に依存していた)

経営コンサルタントの倒産要因

コンサルタントの倒産には複数の要因が絡み合っています。以下にその主要な要因を詳述します。

  • 属人的な性質

コンサルタント業は、個々のコンサルタントの経験や人脈、人柄が大きく影響します。そのため、特定の個人に依存する傾向が強く、これが企業の安定性を脅かす要因となります。

  • 資本力の不足

中小規模のコンサルタント企業は、十分な資本力を持たないため、初期投資や運転資金の確保が難しく、資金繰りに苦労することが多いです。

  • 市場競争の激化

コンサルタント業界は参入障壁が低いため、新規参入が相次ぎます。

その結果、価格競争が激化し、利益率が低下するという悪循環に陥りやすいです。

実例からも見えてくる共通要因としてカネ・しくみ・人財・準備不足など経営コンサルタントがアドバイスで言っていることに当てはまっています。業態や規模を問わず言うのは簡単だが行動して成果・結果を出すのはますます難しい環境下に追い込まれていると感じます。

良い相談相手の見極めについて

経営コンサルタントに何を求めるのか?

会社の業績、利益を向上させて永続的に会社を存続させるための役に立つ具体的な助言とサポートだと、わたしは思います。

専門知識や経験、応用力、経営センス、人柄など経営コンサルタントに求められる能力は多種多様です。

そもそも、あなたの事業に本当に興味を持っているかどうかの見極めはコンサルタントを選ぶ最初の一歩としてとても重要です。

経営者として目利きが問われるので難しい判断ですが、もしその人から情熱や熱意が感じられないようであれば相談相手としては付き合うべきではありません。

肩書や会社の規模や地位で判断することは間違いではありません。しかし、間違うこともあります。なぜか?

本質を見極められず表面上の情報でだけで判断するからではないでしょうか。

わたしの主観で申し上げると、良い相談相手かどう直感を信じるべきだと思います。

まとめ

依頼人の中には他の経営コンサルタントにも相談されているケースはよくあります。

聞くと、結果が伴っていないがかなりの費用を毎月で支払っていたため資金繰りを圧迫していたいということも珍しくありません。資金繰りや経営環境の改善のための費用が逆になることもあるということです。

それら費用は本来、手元に残して給与や取引先への支払いへ回すという判断が正常だと言えます。

資金繰りの追われている環境ではその正常な判断が出来なくなっていることが多いと見受けられます。

本題から少しずれましたが、わたしたちは経営危機コンサルタントと名乗っていまるので、一般的にはやはり経営コンサルタントとみられます。
やはり、同業の倒産はその業界に対する信頼を奪い、わたしたちの信頼にも影響が及ぶ懸念はぬぐえません。
そうなると本当にわたしたちを必要する経営者の役に立てなくなるという悪循環から波及する社会的な損失は大きいと考えています。

今回は経営コンサルタントが倒産することは当たり前の時代になっているという現実を目の当たりにし、これからの経営者の相談相手は誰がベターなのか考え直すきっかけとなればと思います。

経営者は常に孤独です。

また破産を経験した人間は多くはなく、良い相談相手を早く見つけることが難しいものです。

一人で悩まずわたしたちにご相談下さい。

執筆: 才藤

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