廃業処理はどのようにするのか?~会社の終わらせ方~

経営危機コンサルタント・内藤明亜のブログです。

事業体(以下、法人化している会社でも、個人事業でも「会社」と記載)の
決算内容によって、廃業処理(会社の終わらせ方)の方法は大きく変わります。

債務超過かどうか、の見分け方

決算書の[貸借対照表]の、
左側にある[資産の部(流動資産と固定資産)]にある項目をすべて現金化した金額が、
右側にある[負債の部(流動負債と固定負債)]より多ければ、[債務超過がない]と言えますし
その金額がマイナスになると[債務超過がある]となります。

資産の部を現金化>負債の部 →債務超過がない
資産の部を現金化<負債の部 →債務超過がある

 

固定資産は、現金化後の価格に注意

難しい点は、
固定資産の項目は、
換金しても決算書の数字以下になることがほとんど
ということです。

例えば、新車で購入し、
[車両運搬具]として資産計上した
[1000万円]のレクサスがあるとします。
が、まったく乗っていなくても、
売却すれば[500~600万円]にしかなりません。

ここで、決算書の数字との開きが
[400~500万円]発生してしまいます。

会社の廃業を考える場合には、
このように決算書の資産を現金化した場合の金額が重要となることを忘れないでください。

債務超過がない場合

決算状態が、債務超過になっていなければ、
会社を終わらせても、債権者(被害者)を出すことはありませんので、
会社を[清算]という形で事業を終結させればよいわけです。

会社の契約をすべて解除し、会社の財産をすべて換金して債務に充当し、
残った財産は経営者の所得とすればいいのです。

以上は、税理士に頼んで、処理するだけです。

ただし、債務超過がないと安心して清算処理をしようとしたところ、
その過程で債務超過が発見され、泣く泣く倒産処理になるケースがよくありますので、ご注意ください。

債務超過がある場合

この場合、事業終結(廃業処理)は複雑になってきます。

債務というのは、

・給与や退職金
・借入金
・買掛金
・未払金
・預かり金など

で、会社の債務が会社の財産を上回っている場合がこの「債務超過」です。

この場合は、会社が事業を停止するとマイナスが出てしまうので、債権者が発生してしまいます。

さらに、会社を廃業する場合には会社のなした契約のすべてを解約(破棄)させなければなりません。

具体的には、

・雇用契約の解消
・借入れ(融資)契約の解除
・(事業所などの)賃貸契約の解消
・リースやローンの契約の解除
・その他

債権放棄には応じてもらえず、倒産処理がほとんど

これらの解除に伴い、債権を持った債権者が、債権放棄をしてくれれば問題はないのですが、現実的になかなかそうはいかないものです。

私が携わってきた例では、債権の減額に応じていただけた債権者は、
長年、お取引のある買掛先だったケースでしたが、稀です。
未払い先や預かり先は応じないことがほとんどです。

少なくとも、借入先の金融機関はまったく債権放棄には応じません。
一円たりといえども債権放棄には応じないのが金融機関なのです。

金融債務の場合、代表者の不動産などが(根)抵当権設定されていたり、代表者などの連帯保証をとられていることが多いです。
その場合には、会社の債務がそっくり代表者などにのしかかってくることになり、連鎖的に代表者も[個人の破産]が避けられなくなる場合がほとんどです。

そのような(根)抵当権や連帯保証がなければ、会社の債務が代表者などにかかってくることはありません。

債務超過に陥った会社の廃業処理は、[倒産]処理にならざるを得ないことがほとんどです。

倒産処理をするには、申し立て代理人が必要だが・・・

[倒産処理]は地方裁判所に申立てすることになりますが、
申立て代理人は[弁護士]でなければなりません。

ですので、倒産を考え始めた経営者様は
まず弁護士に相談することがごく普通だと思います。

ところが残念ながら多くの弁護士にとって、
破産申立ては単なる作業です。

おそらくは破産することになる
代表者個人のことは考えてくれないことがほとんどです。

その費用の高さもあり、倒産処理の壁の厚さに衝撃を受けることになります。

びっくりしてセカンドオピニオンを求めて、
わたしたちのところに相談にこられるケースは大変多くあります。

当事務所では、依頼者様の倒産によるダメージを最小化し、
再起の道を拓くためのコンサルティングを行います。

その上で、倒産処理に経験豊富な弁護士を紹介可能です。

倒産処理に関する、弁護士一般の実態に
ついては下記をご参照いただければと思います。

『一般的な倒産処理 - 弁護士事務所に駆け込む』
『倒産処理のセカンド・オピニオン』

『役立たずの弁護士が、五人も…』

また、切迫度によっては[切迫倒産]か[予知倒産]か、という問題も包含しています。
『【切迫倒産】と【予知倒産】 倒産の二つの様相』

この処理は、法的処理による[法人の破産]と、私的処理による[任意整理]があります。
詳しくは、先に書いたブログをご参照ください。

倒産処理の種類 
倒産処理の種類 [B-a] 法人の破産。
倒産処理の種類 [B-b] 任意整理。
倒産処理の種類 [B-c] 放置逃亡。

(初出:2014年4月2日 修正:2021年1月25日)

経営相談お申込み・お問合せ03-5337-405724時間365日いつでも受付

経営相談お申込み・お問合せ